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丁酉平成如月
2004年 08月 23日
学術系の文献(雑誌)のデジタル化にも種類(流れ)がある。細かい説明は省くが、それぞれ歴史的に発達してきた経緯がある。
1)プレプリント(雑誌印刷前に発表、査読は経ていない) 2)電子ジャーナル(従来型の学術雑誌のデジタル出版) 3)機関内部での文献電子化と公開(機関独自のイニシアチブ) 4)ディスク出版(上記のメディアをCD/DVDにしたもの) 5)プロシーディング(発表要旨集。メディアはディスクが多い) プレプリントのフォーマットはTeX系が主流らしい(PostScriptという場合もあるが)。TeXは一種のマークアップ言語だが、数式や化学記号の記述に都合がよい。事実上レイアウト済みなので、出力結果は高品位なDTP/PDFと同じことになる。 電子ジャーナルについては、出版社主導のオンライン出版が大きな流れとしてある(プレプリントのオンライン化に危機感を抱いたのが発端らしい)。フォーマットは色々のようだが、出力はPDFかHTMLという事になるだろう(あるいは両方)。これは(3)以降も同様だ。数式等は画像化してしまうようだ。 もっとも、ページ丸ごと画像にした電子ジャーナルというのもあるし、一般書の電子出版でも、広義のテキスト系と画像系の両方がある。これにはコンテンツ制作の(広義の)ワークフローも関係するし、著作権管理での複製防止の考え方もあろうが、テキスト系が本来のあり方であるには違いない。 電子出版はワークフローのオープン化でもあるはずなのだが、印刷会社が編集を受託する場合は、Quarkなどの慣れたDTPがマスターフォーマットになりやすい。もっと構造化したアプローチとしては、Adobeの「FrameMaker」がマスターになる事もある。また、XMLでマスターフォーマットのスタンダードが提案されてもいる。そのXMLから、各種フォーマットで出力する形になる。 以上は実は前置きで、問題にしたいのは入稿フォーマットだ。TeX系が主流になったプレプリントでは、それに対応せざるをえないが、一般にはWordをワープロとして執筆されている場合が殆どだろう。そこで、Wordにテンプレートを使用する事で、構造化した形で入稿してもらう、というやり方がある。ただ、構造といっても、HTMLで簡単に表現できる程度だ。LaTeXのsectionやsubsectionが、H2やH3になる程度の話だ。もっとも、HTMLの見出しでは自動付番されない。構造化文書では、LaTeXの方がはるかに先進的だ。 #
by renes
| 2004-08-23 00:08
| デジタル
2004年 03月 13日
写真は(厳密にいうと)写真じゃない(もちろん言葉の綾だ…PHOTOGRAPHYを直訳するなら光画の方が近いが…写真を直訳するならTRUE SHOTか)。実際に可視光線で構成される明暗は、濃度差が非常に大きいのが普通だ。肉眼で(一時に)対応できる範囲は限られている。ネガカラーの記録しうる濃度差が大きい事は知られている。ポジがそれより狭い事も知られているだろう。プリントの再現しうる濃度差はさらに狭い。
人間が視覚しているものは、目と脳で調整された画像である。中心的な濃度範囲がよく再現され、全体としては広いダイナミックレンジを持つように最適化されたものと考えられるだろう。写真(画像記録)は、その最適化されたイメージを、発光面ないし反射面で再現しようとする技術だ。自然界の濃度差を正確に(真に)再現しようとすれば、それは測定器のようなものであり、鑑賞する画像としては見るに耐えないものとなる可能性が高い(もともと濃度範囲の狭い場合は大丈夫だが)。 被写体の輝度範囲が広い場合、単にコントラストを下げれば、より広い輝度範囲がカバーできる。しかしそれでは、眠い画像となり、印象がよくない。中心的な濃度範囲において充分なコントラストを持たせながら、明暗の両端部においてコントラストを下げるのが普通だ。それによって、明暗の再現可能域が広がる。明るい部分については、「ニー」を効かせることもある。明暗のカーブを、リニアではなく、意図的にいじるのは、画像技術の一つの要である。フィルムの特性は、まさにそのように作られている。ビデオの場合は、あまり曲線をいじらないのが普通なようだ(業務用機ではニーがあるのが通例…CCDもある程度そのように作られている場合もあるようだ)。ビデオでフィルム調を再現するため、特に調整したものをシネガンマと言うが、ビデオ画像としてはかなりローコントラストな印象になる(階調が豊かだとも言う)。 信号としては、最終段階では各色256階調(8bit…0から255)になる。16bitなら約65000階調になるが、信号上の白と黒はどちらもはじっこにあるし、中間輝度は中間輝度だ(ちなみに8bit sRGBの色空間におけるニュートラルグレー18%濃度の輝度値は118だそうだ…約46%輝度に相当する…この事の意味はまだよく理解していない)。通常は、画像の中の殆どの部位が、濃度10〜90%の範囲を使いきるくらいがちょうどよい印象だ(厳密な数字を言ってもあまり意味はないが、濃度10〜90%は、8bitでいうと25から230くらいだ)。それより暗いか明るい部位は、(僅かに階調は残っているが)ほぼ飛んでしまう(が、自然に飛ぶことによって画像の印象が良くなる効果もある)。 快晴と曇天では、同じように写真を撮ると、明らかにコントラストが違って出来上がる。日向と日陰でも異なる。どの場合でも同じような出来上がりの画像記録とするためには、かなり人為的にカーブをいじる必要がある。白黒フィルムなら、フィルムやプリントの段階でかなりコントラストをいじるのが普通だ。 以上は濃淡というか輝度の問題だが、色の問題はまた別になる。色温度は、人間の視覚ではかなり自動補正(?)される。ある色温度の画像(プリントやディスプレイ)を見ていると、それだけを見ていれば、それに慣れて自動補正されてしまう。普通、画像の色温度は、周り(環境光やディスプレイ、紙の余白)の色温度に合わせる必要がある。蛍光灯の元で暮らしている日本人と、電球色の元で暮らしている欧米人では、色々と異なるらしい。写真の真実は、いくつもあって、一つじゃないのだ。 #
by renes
| 2004-03-13 00:33
| デジタル
2004年 02月 17日
ブログは本当はWeb+logなのだから、それ相応の内容を指している。実際のブログはCMSとほぼ同義で、主に個人的な日記(つまりpersonal+log)に利用されているもの、というところか(diaryともいう)。CMSの利用は、Webコンテンツの作成でも課題だが、さてどこから取り組んだものやら。
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by renes
| 2004-02-17 02:27
| デジタル
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