地域博物館は価値観を提示する。その価値観のコアはずばり、「住んで良い土地」だ。住みやすさの基本は、1)土地の自然的ベース、2)土地の人文地理学的ベース、3)先人の営為としての地域社会の建設事業、以上の3点に集約できる。「住んで良い土地」とは住民へのメッセージであり、地域(その土地)の価値感の高値維持が目標である。それは地域(その地名の土地)のブランディングでもある。それも、決して「不動産屋の宣伝」(都合の悪いことは書かない)ではなく、研究者が実証主義で裏付ける、地域の自然と歴史と文化の情報である。
地域博物館がブランディングのツールである事が理解されるなら、ミュージアム活動の広がりが見えてくるだろう。なお、地域博物館は未来を(少なくとも直接には)提示しない。未来は、創造系の文化的活動にゆだねるべきものだ。