Amazonには一部の本に「中見!検索」がある。本編の一部がそのまま画面で見られるのだ。スキャンなのかデータから作っているのかはともかく、検索用のテキストも持っており、本文中の検索ができて、そのページにジャンプできる。多少はその後のページも読める。検索はできるが、本編を読めるのはあくまで一部だけだ。
これは実は販売促進プログラムだ。米Amazon.comでは、同様のプログラム「Search Inside!」に参加している書籍の売上が顕著に増加しているという。こういうのが世に言う「ロングテール」というものである。
#Googleでもやっているはずだが、図書館の蔵書スキャンに乗り出したものだから出版社に睨まれて、最近は少し後退気味なようだ。
売り上げはともかく、学術雑誌もロングテールだ。そこで「中見!検索」やれば? とは言っても、発行者にもAmazonにも相手にされない気がする。ちゃんと機能する仕掛けは、コストのかかる話だ。
どんなにマイナーな雑誌でも出来る手段として、単純に論文の先頭から2頁だけ公開してしまうというのはどうだろう。多くの場合、1頁目の大半は要旨だから、これは元々公開すべきもの。2頁目は本文の冒頭になるが、ここまで読めば(論文の)大体の感じが分かる。最初から2頁しかない原稿(書評とか)はそのまま公開したらよろしい。書評は、それ自体、本の販促みたいなものである。
もっとも、J-STAGEや
Journal@rchiveみたいに全面公開に越したことはないのだけど、まあ多くの「雑誌」は紙ベースであるだけでなく、販売中だし...
そういえば、日本考古学協会が取り組んでいた「データベース」は、実は検索技術以前の「中見!検索」に相当するものだったと言ってもいいだろう。論文を検索する手助けになるべく設計・入力された、という点で。