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丁酉平成如月
2005年 08月 18日
アースダイバーは、ローカルを案内するフォトポエムかもしれない。
せいぜい近世まで遡る伝説や原風景を紐解いて見せることで、世界の隠された構造を示唆し、現代人を分かった気にさせ、心地よさを提供する。まことに陰陽二元論は強い。地下世界、湿った世界、泥や汚水が流れ込む世界、どくどくと地下を行き交う温泉脈や地下鉄といった陰の世界にダイナミズムを認める。そして陰につながる境界域の世界が、陽の明るい世界へのパワーを持ちうる点に注目する。大学はアジール=避難所であり、タナトス=死霊の王国のもたらす「自由」を利用する。まあ、そんな具合だ。 それはまだいい。事実から離れる事は問題だと思うが(伝説を伝説として語るのは、問題ないのに)、うがった解釈である場合もある。それは、その文化の設計者や実行者が拠り所にした世界観が、アースダイバーの解釈と一致していた場合だ。そもそもアースダイバー的な世界観に基づいて作られた世界や文化ならば、合っていて当然だ。 しかし、どうしても許せない点が、読み進むと2、3出てくる。911を語る氏は、一神教体制の下で、抑圧されてきた無意識が、グローバル社会に挑みかかったのだと断ずる。もちろん一神教同士の争いである事はともかく、911テロリストの所業は無意識の逆襲だろうか。この解釈は、陰陽二元論の応用でしかない。近頃のテロリストはITにも親和性が高い。いわば、オタクだ。これはオームでもアルカイダでも同じだ。泥臭い連中といえば、日本の民間人3人を拉致し(て後に解放し)たような連中だ。超現代的な国際テロリストは、暴力的な権力を志向する。秩序から自由であるのではなく、彼等の秩序を打ち立てようとする。グローバリズムの解体に挑戦しているのではなく、別のグローバリズムで世界を支配しようとしているのだ。鬼っ子でしかない。 「この世界の息苦しさは、資本主義の原理が入り込んでこない隙間がどこにもないというところにある」(p.237)という事だけを言いたいのだ。氏は、隙間を探していたのだ。グローバリズムに対抗するには、地下世界や死霊の王国や深い緑の森によって、アジールを作り、砦とするしかないのだと説く。それは、最後まで、氏の妄想でしかない。氏のドリーム、まさに夢の時間がこの本には流れている。 ちなみに、身体=自然説を想起すれば、アースダイバー論は原風景=自然=身体で、風水論と通じていることが分かる(ま、それは当然か)。身体の構造や成り立ちから、どんな近代人も自由でありえないのと同様、都市も原地形から逃れられないのだ(半分ウソ、半分ホント)。
by renes
| 2005-08-18 02:00
| クリティーク
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