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丁酉平成如月
2005年 06月 17日
報道がやや錯綜しているが、顛末をまとめてみた。
1)2004年、NTTドコモ関西が、携帯電話の基地局を新設するため、大阪府池田市古江町の山林の土地を地権者から借りた。 2)現場は、1976年の池田市の調査で、直径約13m、高さ約1.2m、6世紀代の円墳「古江古墳」の存在が確認されており、「周知の埋蔵文化財包蔵地」として登録されていた。 3)鉄塔は高さ約14.8mを予定していた。建築基準法で建築確認が必要な工作物の基準では、「高さが15mを超える鉄筋コンクリートの柱、鉄柱、木柱等」という項目があり、15m未満の鉄塔は確認申請不要。 4)現場は風致地区に指定されていた。風致地区の基準では、14.8mでも届け出の必要があったし、砂防法の関係でも届け出の必要があった。以上2点は、下請け業者が2004年9月に池田市と大阪府池田土木事務所と打ち合わせした際、伝えられていた。しかし市などは古墳の存在に関しては触れなかった。 5)砂防法上の届け出は2005年2月に行われたが、風致条例に基づく届け出は怠ったまま、工事は2005年4月下旬に始められた。 6)5月下旬に住民が市に連絡し(通報内容は分からない)、ここにきて「周知の埋蔵文化財包蔵地」である事が関係者に認識された。時遅く、コンクリートの基礎工事が進んでおり、既に石室は完全に消滅し、墳丘の大部分が破壊され、周濠の一部が残るだけとなっていた。 7)5月27日に池田市教育委員会から大阪府教育委員会に報告があがり、工事の情報が伝わった。府教委はドコモ関西に工事停止を指示し、その後、ドコモ関西から文化財保護法第93条に基づく届け出が為された。 8)同社の西邑省三副社長らが16日午後会見し、謝罪した。市や府の教育委員会の指導に従う事、また原状に戻すよう努めるとしたが、未調査で記録がないため、はたしてどうするものやら... 少なくとも、残存部分の緊急調査が行われるところまでは決まっているが、その後の措置は見通しがたたない。 プレイヤーは9者数えられる: 1)地権者 2)地元自治会長 3)NTTドコモ関西 4)下請けの鉄塔工事業者 5)市の建築関係担当部署(都市整備部?) 6)市教委 7)府の土木事務所 8)府教委 9)市民 疑問点: 1)地権者は古墳の所在について知らなかった?というのも理解しがたい。責任はないだろうけど、開発側に事情を伝えるべき立場だったのでは。なお毎日新聞によれば、鉄塔建設については地元自治会長(当時)の同意も得たというから、自治会長も古墳を失念していたのだろうか。話し合いの席で、話題にするだけでいいのに。 2)いつも鉄塔を建てているはずのドコモ関西が、なぜ(一般的注意事項として、自治体に言われるまでもなく、指摘されるまでもなく、自発的に)遺跡の有無に注意を払わなかったのだろう? 3)下請業者は、現場で工事しながら、横穴式古墳の存在に気づかなかったのか? 4)市の建築関係部署、及び府の土木事務所は、開発の相談を受けながら、なぜ周知の埋蔵文化財包蔵地について、全く話題にもせず、注意を払わなかったのだろう? 市教委や府教委は、市民の通報まで、全く知らなかっただろう。事態を知った時点で、間違いなく行動を起こすからだけど、要するに建築土木の方から、問い合わせが回って来るか、業者からの問い合わせが来ないと、知りようがないのだ。確かに建築確認申請が不要だった事は、情報があまり回らなかった原因の一端ではあろうが、何らかの土木工事が周知の遺跡内で実施されるのだから、ちゃんと届け出や事前協議をしなければならないし、関係者は立場を問わず注意を払うべきだった。もっとも、風致条例に基づく届け出を怠っていたくらいだから、下請業者やドコモ関西は、埋蔵文化財のことは尚更眼中に無かっただろう。 もちろん行政の建築土木関係部署は、埋蔵文化財にもっと注意を払うべきだったし、また文化財保護部署は、役所内の情報流通がよくなるよう、普段から根回ししとけという話にもなろうが、それくらいなら、建築土木関係部署の埋蔵文化財への注意を義務化すべきではなかろうか。 埋蔵文化財への関心を醸成する、日頃の普及活動の必要性はあるなあとも言える。現場に看板があれば、違ったかもしれない。 NTTドコモ関西の「お詫び」(6月16日) -- 追記:毎日新聞の記事で、地元自治会長(当時)が無関係でなかったことが分かった。地権者も含め、地元の市民が古墳に全く関心を払っていなかった状況が浮かび上がってきたようだ。地元がこんな事では、埋蔵文化財の保護なんて、絵の河童だ。 追記:池田市長日記「市長とびある記」に記述あり(6月17日、20日、22日、23日)。どうやら基地局の位置を変更し、古墳は「原状復帰」の方向のようだ。考えてみれば、正確な復元は出来ないが、ミニテーマパーク化は可能だろう。ただし現場は借地だから、ドコモが用地買収し、市に寄付することが前提になる。 大阪府教育長が16日の定例記者会見で「池田市の土地開発担当部局が文化財についても調査するよう業者を指導すべきだった」と発言したことに対し、池田市長は「市だけの責任ではない。府や市が連携して指導監視するよう徹底すべきだというなら理解できるが」(毎日新聞)としていた。この不満は市長の17日の日記にある通り。これは、市の責任の方がより重いと思うし、市長が言うべき発言ではないように思われる。ともあれ、責任の所在や対策については、いずれ検証されることだろう。 なぜか、残存部分の発掘調査の話は未だ表に出てこない。 追記:2005年9月21日に古墳用地の買取予算350万円が審議されたようだ。また、古江古墳からは刀が発見されているようだ(経緯不明)。
by renes
| 2005-06-17 12:59
| ヘリテージ
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