結局、目指すとこは「学問2.0」なんだと思う。具体的には、色々な側面がある。モード2と似ているけど、モード1の変革も促してしまうので、同じではない(
モード2の考古学)。
最初はデジタル化だった。IT化と言い直せば、コンカレントエンジニアリングになる(
コンカレント・アーキオロジー)。共同作業としての情報生産の革命だ。ちなみに「情報化」には、最初から情報流通革命が入っていたように思う。ただ、ユーザーにとっての利便性が増すという効果の裏で、水面下の足は忙しく動いていた。2.0が違うのは、ユーザ参加型だと言えば、簡単すぎるかもしれないが、当たっていないわけでもない。くだいて言えば、情報のユーザー持ち寄り型である。
#1.0以前がレストランモデルなら、2.0は(友人宅での)持ち寄りパーティモデルだ。
#そういえば、「メニュー」はレストラン用語だ。
ファンダメンタルなところで2.0化するには、まだまだ何が必要か考えるところが多い。多くの工夫と、多くの経験が必要だろう。第一、1.0の整備が先だ。メタデータ(抄録くらいは含めて)の整備は先行すべきだ。
オープンアクセスは(やや1.0的だが)一つの取り組みに過ぎない。出版社というレストランに頼っていては、どうにもならない所まで追い詰められて、やむを得ざる取り組みという経緯がある。雑誌を公開するか、予稿集を公開するか、あるいはプレゼンのWeb公開か、動画公開(Webキャスト)か。iPod系の技術もいいが、Skypeみたいな技術もある。それぞれ意味合いが違うし、団体による戦略の違いもある。メディアというか、雑誌による性格的違いもある。
当然ながら人間が社会の中で行うことだから、調整や戦略やコントロールは避けられない。