プレゼン(パワーポイント等)の画面を見ると、いつも思うのは字が小さい事。これはプレゼン制作者の慣れの問題でもないようだし、日本だけの問題でもないようだ。小さいのは非常識だとは思うが、殆どのプレゼンが非常識なのだから、それが常識なのかもしれない。
同様の事は、企画展の展示パネルの文字サイズにも言える。(1)パネルの前に直接立てる場合は何でもいいとも言えるが、(2)展示室の作り付けのガラスケースの奥の壁面に掲げるパネルが、(1)と同じフォントサイズであるのは、理屈としておかしい。しかし世の中、そんな事は気にも留めない学芸員ばかりのようだ。もっとも、(1)の場合でも、文字が小さいとか、1行の文字数が多すぎる場合がある。照明の明るさも、読みやすさに大きく関わる。キャプションが資料保護の都合で照度が低い場所におかれることがあるが、展示ケースの中で観覧者からやや遠い事も考慮してフォントサイズを考えるべきだ。
何か参考になる基準はないかと思ったら、映画の字幕があった。あれは横13文字が基準だそうである。
映画字幕書体を語る文字数については、例えばシネマスコープ(※)の場合、横字幕で13文字が一応規約なんですけどね。縦は10文字です。
同じ字数でもフォントサイズや字間の問題もあろうが、ともあれ、パワポの1行の字数も13字が基準になると考えるべきではなかろうか。話の誤差を考えても、14字か15字くらいが限界だろう。デフォールトのテキストボックスに1行13字を意識して入れてみたら、フォントサイズは48ptになった。行間は「1行」ではやや狭く感じるので、まあ「1.5行」くらいがいいのではないか。これだと全部で5行くらいがいいところだが、そもそも行数が多すぎるのも、プレゼンでは避けたいところ。