デジタル入稿は、テキストデータから始まった。当初はFD(フロッピーディスク)入稿だったが、後にメール添付が可能になったものの、未だにFD入稿も廃れていない。もはやFDDの装備されていないPCも多いというのに(MacでFDDが廃止されたのは5年位前だ)、FD入稿が仕様になっているケースもあるから不思議だ。
図版の入稿のデジタル化は、意外にもまだまだのようだ。紙の版下が仕様になっているケースもある。ある現場で、データはイラストレータで作成してあるのに、プリント出力が版下として入稿されているのに仰天したのは、5年ほど前の事だった。多分、今でも珍しくはないのだろうが...
デジタル入稿の仕様は、一般化しようとすると説明が長くなり、敷居が高いかもしれない。それは
以前に書いた通りだ。ちゃんと理解するには、相当の研修が必要になるかもしれない。テキストデータだって、実は色々と難しい問題もある。だからといって、テキスト入稿を忌避される事はあまりないが、用心(確認)のために紙出力も添付せよ、という注意書きは今も欠かされない。フォント埋め込みPDFなら、その問題は解消したのだが...
さて、図版データ入稿は、条件分岐を考えると大変だ。出来る人は別にして、一般化した仕様として、2値データ限定というのはいかがだろうか。1bit TIFFというと(2値だから1bitだ)、印刷業界や広告業界では結構ポピュラーみたいだ(まあ、あちらはイメージセッタの出力データそのものみたいだが)。予稿集みたいなものでは、600~800dpiの2値データでよいだろう。800dpiなら、イメージセッタが2400dpiならきりもいい。出力が1200dpiくらいなら、600dpiデータでいいだろう。トーンなど階調な部分は、パターンデイザで2値化すればよい。ちなみに、800dpiの1ドットサイズは約0.03mmだ。1pt幅は約11ドットで構成される。最細線を0.2ptにしておいても、大丈夫だろう。